日本国際理解教育学会第35回研究大会を拓殖大学において開催させていただくこととなりました。開催校を代表し、心より歓迎のご挨拶を申し上げます。
本大会のテーマは、「Small is Beautiful ― 小さなトランスフォーメーションが世界とつながるとき ―」です。国際社会の不確実性が高まり、地球規模の課題が複雑化する時、私たちはしばしば「大きな変革」や「構造的転換」を期待し、大きな力にすがろうとしがちです。まさに世界の現状はそこにあると思わざるを得ません。
しかし、教育の現場で起こる変化は、必ずしも劇的なものとは限りません。ただし、学習者一人ひとりの認識の揺らぎ、他者理解の深まり、価値観の再編といった小さな内面的変容こそが、やがて社会のあり方を静かに、しかし確実に変えていく力になるのではないでしょうか。わたしはそれを信じてやみません。
国際理解教育は、知識を理解することにとどまらず、そこに息を吹き込み、他者とともに生きる想像力と実践力を育む教育です。その本質は、遠い世界の出来事を学ぶことと、目の前の他者との関係性を問い直すことを往還する営みにあります。「小さな」実践や対話が、地域を越え、国境を越え、世界へと接続していく。そのダイナミズムを理論と実践の双方から検討することが、本大会の目指すところです。
拓殖大学は、1900年の創立以来、国際性を教育の柱として歩んでまいりました。本大会が、研究者、実践者、学生、そして地域社会の多様な立場の方々が交差し、それぞれの「小さなトランスフォーメーション」を持ち寄り、共有し合う場となることを願っております。そこから生まれる対話と協働が、新たな知の地平を拓く契機となれば幸いです。
実行委員会一同、充実した議論の場となるよう準備を進めてまいります。多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。
第35回研究大会実行委員長 石川一喜